知っておきたい作詞のコツ

多くの人に愛される曲とは、多くの人に共感される曲とも言えます。曲は歌い手(シンガー)と楽器演奏から構成され、メロディに乗せたメッセージ(歌詞)によって、聞き手に届けられます。この歌詞が曲の世界観を築き上げ、人々の共感を誘います。ここでは、初めての人でもチャレンジできる、曲の重要なエッセンスとなる歌詞の書き方をご紹介します。

舞台とキーワード設定

歌詞は歌の詩(ポエム)とも言い換えられるように、基本的にはノールールです。自由に作詞することができますが、黄金ルール1として曲の世界観を決める5W1H(何、どこで、誰が、いつ、なぜ、どうやって)をまず設定するをお勧めします。そこから連想されるキーワードを展開させ、それを歌詞全体に散りばめていきます。例えば、「花火を見るために君が今夜海岸に行く(5W1H)」と設定した場合、キーワードとして、「夏、花火大会、うちわ、浴衣、ビーチサンダル」などが候補に挙がります。なるべく多種多様のキーワードを挙げて、情景が伝わりやすい歌詞に繋げていきます。

世界観とキーワードが浮かんだら、それを黄金ルール2Aメロ(状況説明)+Bメロ(主人公の主観)+サビ(一番伝えたいこと)に当てはめていきます。大ヒットしたアニメ映画「君の名は」の主題歌「前前前世」や、独特なダンスも人気になった星野源の「恋」などがこのルールを採用しています。ここまでは音楽というよりも、文章作成ですね。韻や文字数を考慮して、なるべく簡潔に、誰にでも分かるようにします。ありきたりな言葉を置き換える手法も使えます。例えば、「君の浴衣姿にドキドキした」の場合、「君と君の浴衣にハートが反応」へと反復&置き換えるだけでポップな印象になります。

実際に作成した歌詞を声に出して読んでみましょう。最初の文字が破裂音(日本語ではパ、ダ、カ、ダなど)だと、発声しにくいと感じるはずです。声に出すことで、歌詞全体の抑揚を感じることができます。次に、完成しているメロディに歌詞を乗せてみましょう。文面ではキレイにまとまっていた歌詞も、音に当てはめると聞こえ方や感じ方が違ってくることもよくあります。音の印象を軽くするために、「夢」を「ドリーム」と言い換えて雰囲気を演出することもできます。倒置法や母音の活用など、他にも様々なテクニックがありますが、一番重要なのは「聞き手に内容が伝わる歌詞」であることを忘れずに!